与党訪米団と米国6ヶ国協議主席代表との意見交換
北朝鮮の核実験等に関する与党訪米団報告


5月25日 北朝鮮が核実験・ミサイル発射を行ったことは、わが国のみならず、北東アジア地域の平和と安全を損なう行為として容認できない。与党として、このことを国連本部、アメリカの国防省、国務省に伝え、強力かつ実効的な国連決議が迅速に採択されるよう、アメリカに派遣された。

ニューヨークの国連本部では、中国、ロシア、韓国の常駐代表大使と個別に会談を行い、日本の立場を説明し、早期に制裁措置を求めてきた。同時にわが党の防衛大綱の説明も行い、これに関する意見も聴取してきた。

中国の代表は日本の懸念を理解しつつ、@中国としても協力かつバランスの取れたメッセージが必要であると。A政治的外交的解決の手段、具体的には6者協議での解決を追求する。B朝鮮半島の非核化、北東アジア全体の安定化という見地で、本国と調整したいとのことであった。

ロシアの代表は、@核不拡散体制の堅持は重要であり、北朝鮮の核実験はNPTにも国連決議1718にも違反しており、議長国として決議案が配布され次第、迅速に作業を進めるとのこと。A新たな決議は強力なものであるべきだが、6者協議を通じた外交的解決の追求が重要で6者の枠組みを維持すべきであるとの意見であり、取り急ぎ5者で協議していきたいとのことであった。

韓国の代表は、@北朝鮮の核実験は、朝鮮半島、北東アジアの安定への脅威であり、核保有は絶対に認めない。A強い制裁と同時に、政治的外交的解決を追求することが重要であり、1718の制裁の実施凍結を解除することにより、北朝鮮を6者協議に復帰させるべきであるとのことであった。

次にワシントンを訪問し、アメリカ政府の意見を聞くため、国務省、国防省、6ヶ国協議首席代表を訪問した。共通していたのは、オバマ政権としては絶対に容認できない事態であるとのこと。真剣にこの事態に取り組んでいる姿勢として、昨日からスタインバーク国務副長官はじめ政府代表者を5ヶ国に派遣しており、意見調整をしていくとのこと。日本とはまったく認識が一致しているとのこと。日米同盟に基づく日本の安全保障へのコミットメントを堅持することが大事であると強調されていた。

バーンズ国務次官からは、@日米同盟を基盤とした安保体制、拡大抑止の強化。また、北朝鮮の行為が、今後、危険なサイクルに発展することも懸念しており、イランへの拡散に対しても、状況を見極めていかなければならない。A今回の強い安保理決議はその一環であり、ロシア、中国、韓国の3ヶ国を取りこまねばならない。Bわれわれの会談の後、オバマ大統領・クリントン国務長官との会議があり、日本の主張を伝える。Cロシアとの核軍縮も、日米の通常兵力をしっかり検討したうえで慎重に臨むとのことであった。

フロノイ国防次官からは、@日本の安全保障に対し米国は強いコミットメントを有している。4月の北朝鮮のミサイル発射時に「米国本土に飛来するミサイルのみ迎撃する。」との、ゲーツ国防長官の発言は、プレスによって誤って引用されており、報道されているような発言はしていない。A可能な限り強い制裁を盛り込む決議と同時に日米韓の防衛協力が大事である。BQDR(4年ごとの米国の国防計画)と日本の防衛大綱のすり合わせの協議を進める。C米軍のアジア太平洋の態勢を強化し、同盟国との協力を進める。特に、ミサイル防衛、海上安全保障、情報分野の協力、共有を強化する協定も進めていくとのことであった。

ソンキム6ヶ国協議首席代表からは、@北が核保有国となるのは容認しない。A北朝鮮は今回の行為に対する代償を払う必要がある。B北への制裁は効果のあるものとする。中身のない制裁は意味がない。行動を変えさせるものにする必要がある。Cテロリスト支援国リスト問題も、国連決議以外にも北が代償を払うステップは必要であるが、当面対処しなければならないことは、迅速、かつ、中身のある国連決議を採択することであるといったことを話された。

クラウチ元大統領補佐官、ルード元国務次官、デミング元筆頭国務次官補代理、クリンナー氏にも、北朝鮮問題、敵地攻撃論、核抑止、核武装論についての意見を求めたが、@北朝鮮が今の態勢である限り、核開発のプロセスはあきらめない。Aエスカレートした場合の対処、緊急事態に対処する計画の策定、具体的な連携の道筋をつける。B圧力は日米同盟の文脈で行う。C全世界からの圧力、信頼性の低下のギャップを埋める努力の必要性、といったことが指摘された。

今回の訪米では、関係国に対して日本としての強いメッセージを伝えることができた。
国連安保理決議については、北朝鮮の行動を変えうるだけの強力かつ実効性のあるものとして、早急に採択されるようにしていかなければならず、そのためには、アメリカ・韓国、また中国・ロシアといった関係国との連携を深めていかなければならない。また、この問題は、国連安保理決議だけで解決するものでもなく、決議採択後の対応が重要となってくるため、6者協議も含め、アメリカをはじめとする関係国との調整を進め、核・ミサイル、さらには拉致問題といった北朝鮮のかかえる問題解決に向け、対処していかなければならない。

日米同盟及びそれに基づくアメリカ側の日本に対する安全保障のコメントメントは、引き続き堅固なものではあるものの、北朝鮮の核及びミサイルへの対応は、万が一の事態も想定しておかなければならず、日米同盟のもとの役割分担を前提に、韓国とも協力しつつ、効果的な態勢を検討しておく必要がある。改めて、日米同盟、信頼性の重要性を認識させられた米国訪問であった。




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