
2月10日より、ハイチで発生した大地震の復興支援と派遣されたPKO隊員を激励するために現地の視察を行った。死者数20万人以上、被災者数370万人を出した地震の被害は首都を直撃、ハイチの建物のほとんどが崩壊し、政府機能、国連本部組織が麻痺しており大変深刻であった。アメリカ、中国、カナダ、ブラジルなどの各国は「災害支援外交」としていち早く救援隊を派遣。日本は各国に比べスタートダッシュにおいて出遅れていたが、PKO部隊の派遣は速やかであり、活動の準備を行っていた。
今後は、自己完結組織である自衛隊の即時派遣の検討も進めるべきである。我々がいち早く自衛隊の宿営地を訪れ激励できたことは、現場の士気高揚の一助を担えた。自衛隊の医療部隊もマラリア等の危険性のある過酷な環境の中、草の上に宿営して献身的に活動に従事しており、今後とも派遣自衛隊員に対する本国からの継続的な配慮も重要であると考える。
現地に入ってみると、困窮しながらも人心は安定しており、治安面での危険性は予想より少なく、住民も外国人に対する敵愾心があるように感じられなかった。医療チーム及び自衛隊の派遣で、日本のプレゼンスは各国には認識されているが、現地住民には更なる広報が必要である。
米国は病院船を出し重傷患者の手術等にあたっており、現地住民から非常に評価されている。また、我が国の医療チームは、国内法の関係で麻酔薬の持ち出しができず、NGOに提供してもらったりドミニカで調達したりする等の支障をきたした。今後は赤十字や他のNGOとの更なる連携協力を図り、地域医療との引き継ぎがシームレスに行われるような体制を構築すべきである。
地震における建物の倒壊状況は酷く、当面は自衛隊の施設部隊による避難民キャンプの造成や瓦礫除去等が優先されると思われる。しかし、雨期やハリケーンの季節も近付いており、仮設住宅の設営、洪水対策や道路補修、海岸の保全等も活動項目として国連からも要望があった。現地はゴミが散乱し非常に不衛生であり、衛生観念の普及策等も我が国が担えるのではないかと考える。
これらは、今後の4500万ドルに及ぶわが国の復興支援の案件決定に反映すべきであるが、いずれにせよ、息の長い心のこもった支援が必要である。
日本も他人ごとではない。日本国内の危機管理をしっかりし、緊急道路の整備、避難所の開設、緊急事態の対処訓練など、その準備は怠りなく行わなければならない。