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普天間基地をどうするのか
(12/01/24)
沖縄基地問題を推進するため、沖縄を訪問した。2月には、普天間基地のある宜野湾市長選挙が行われるが、一刻も早く普天間基地の移転を図らねばならない。現実にどうするかは、日米合意に沿って辺野古へ移転するのが近道である。市長選は、普天間の全面閉鎖を訴える元市長と、早期に県外に移転を求める自民党県議との戦いとなっているが、普天間の閉鎖を求める伊覇前市長では、普天間は固定化され、早期に普天間の移設を実現するには、移設を求めている新人の佐喜真アツシ氏が当選しなければならない。ところが、野田政権は、市長選挙には中立を表明し、民主党県連も、移設派の候補を応援しようともしていない。2年前の名護市の市長選挙でも、鳩山政権が県外移設を求め、辺野古反対派の市長が当選し、結果として普天間の移転が大幅に遅れることになった。野田総理も就任4か月を経たが、まだ一度も沖縄を訪問していない。民主党は、本気で普天間の移設を実現しようとしているのだろうか。これまでの政府が苦労し、地元の合意を得て、せっかく組み立てた普天間移転の道筋を壊したばかりでなく、このままでは日米の信頼関係まで壊れてしまう状況である。
今度の予算で、沖縄には沖縄振興のための交付金1500億円を出し、沖縄対策をしているが、基地負担の縮減を言うのみで進展はない。就任後、沖縄を訪問した田中防衛大臣は、知事の表敬訪問にとどまり、名護市・辺野古すら訪問しなかった。米国議会では、移転が難しいと見て、グアム移転予算が削除された。次期大統領選挙では、財政難で在日米軍撤退論まで主張する候補者まで出てきたが、日本政府の取り組みに対する不信感そのものである。
政府は、昨年末ようやく沖縄県に環境評価書を提出した。条例と政府の2つの環境評価に対して、35日と90日以内に沖縄県が意見を述べ、政府が最終回答を公告縦覧することで、工事着工までの手続きは終わる。次は、工事に着手するための建設許可を沖縄県知事が認めるかどうかであるが、着実に、着工までの段取りを進める必要がある。知事の認可は、あと1年後、沖縄の県議選や総選挙を経て、安定した政治基盤で県内移転を推進する必要がある。
それまでにやることは、第一に日米地位協定の変更である。国内の米軍基地は、日本にありながら施政権が及ばず、日本の法律が及ばない米国の占有地(占領地)であり、犯罪を犯した米軍人が、この敷地に逃げ込めば、日本の法律で裁くことができない。主権を持つ国家として、誠に情けないことである。戦後60年、そろそろ、日本の米軍基地は自衛隊が管理し、日米協定を改正し、米軍が、日本の法律に従って駐留できるよう米国と交渉することが健全な日米関係といえる。逆に日本が、米国国内に自衛隊が基地を駐留させ、教育や訓練できるようすることも視野に、日米の基地協定を、運用の改善でなく改定を求めるべきである。
第二に、沖縄の米軍基地に土地を提供している地主に対し、これまで安全保障で土地借用に協力してくれた人に感謝する意味においても、また、普天間の移転を進めるためにも、返還後の土地が利用されるまでの期間は、賃貸料を支払うべきであり、それによって、基地移転交渉が順調に促進されるようにする必要がある。
第三に、中国やロシアの軍事情勢の変化に対し、西日本の南西正面の陸海空自衛隊の規模を拡大する必要がある。沖縄には、現在、陸上自衛隊の15旅団があるが、1つの連隊しか保有していない。日本の半分もある南西諸島の広い面積を占める防衛のためには、もっと部隊・人員・装備を充実させるべきであり、そのための防衛計画の変更が必要である。海上自衛隊も、潜水艦・護衛艦・輸送艦の接岸できる補給施設が必要で、那覇港や石垣島、宮古島に海上自衛隊の基地が必要だ。航空自衛隊は、那覇に航空飛行隊があるが、那覇空港は官民共同使用で、離発着も大変混雑している。スクランブルの発信、事故防止、民間飛行便の確保・充実のため、もう一本滑走路の新設が急がれる。また、宮古島の近くの下地島・伊良部島には、3500メートルの民間航空会社の訓練用の滑走路があるが、ほとんど使われておらず、国際災害援助や警戒部隊の航空基地として、航空自衛隊が利用すべきであり、那覇空港の拡張の時に、航空自衛隊の一部の移転ができれば、南西海域の軍事情勢の変化に対峙できることになる。
新しい国際情勢の変化に対し、日本の防衛・安全保障を考えると、沖縄における米軍基地、自衛隊の存在は不可欠であり、政府はそのことを踏まえ、沖縄の基地問題に真剣に取り組むべきである。そのためには、沖縄県の米軍再編、自衛隊配置の南西正面の防衛政策推進のため、手順、説明、合意、戦略を示し、一つ一つ確実に、しっかりと協議をして、超党派で取り組むべきである。