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消費税議論始まる
(12/05/18)
国会で消費増税法案の審議が始まった。税率を2段階で引き上げ、15年10月に10%増となる法案であるが、実施については経済対策を努力目標とし、経済成長率を名目3%程度、実質2%程度に近づける総合的な施策を講じるとしている。また、低所得者ほど負担感が強い「消費税の逆進性」については、低所得者に現金を配る「簡素な給付措置」と、所得税を減税するなどの「給付つき税額控除」を行うとしているが、これではさらに消費税の税率が上がり、負担が大きくなってくるので、将来の世代の負担増のことを考えておかねばならない。
国会審議での論点は、第一に、そもそも消費税を引き上げるべきかどうかについてであるが、社会保障の今後の見通しの全体像が明らかでなく、「最低保障年金」の姿も明らかになっておらず、年金を払ってなくても年金がもらえるのでは、更に年金を払わなくなる人が増えることが懸念される。
第二に、消費増税に伴う景気への悪影響については、デフレ脱却の景気対策が必要であり、経済的損失が膨らみ、雇用へも悪影響が出るのが心配で、経済対策はしっかり講じておかねばならない。
第三に、「低所得者対策」で、生活保護を含め、増大する福祉予算をどう制限するかである。「給付つき税額控除」という低所得者対策は、不公正な結果を招く可能性がある。どのようにして所得を把握し、どれくらいの所得がある人にどのような対策をとるのか、対象となる所得水準によっては納税者の間に不公平感が生じるであろう。
自民党の社会保障政策の対案は、基本は自助である、自助・自立を前面に出して、支える立場(納税者・社会保険料負担者)に立った持続可能な制度への見直しを、基本的な考えとしている。いずれにしても、民主党マニフェストのバラマキ社会保障政策を、抑制していかなければならない。
最低保障年金創設や年金一元化も民主党は実行すると言っているが、そのために税金を投入するため、更なる消費増税に進んでいくことになる。それでは、国民に不信感・不公平感、増税負担をもたらし、生活も困窮するため、非現実的な選択肢としか考えられない。民主党は、高齢者医療制度の改革にも言及しているが、現行制度を基本とするしかなく、幼稚園と保育所の一体化である「総合こども園」も、待機児童の解消ができるとは思えない。もっと、現在の幼稚園・保育園を充実させることが先で、これ以上、子育て政策を複雑にするべきではない。
自民党は、しっかりした社会保障基本法案を国会に提出し、責任ある政治を貫いていくが、民主党内も、必ず、正統派がいるはずである。今後の国会審議において、終盤では、これら政治に責任を持つ議員が連携する必要があるが、その前に、首相が、自民党に協力を求める姿勢を示し、民主党の幹事長・政調会長も、首相の方針の下に、話し合いを始めるべきであろう。双方が、動かない政治、決められない政治に決別をし、首相が、早期に決断・行動しうるような環境を、作っていかねばならない。その信念、理念は、「責任政治の実現」である。